2024年01月31日

世界で最も多いと言われる日本女性の睡眠負債 うつや認知症、肥満の原因に

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​睡眠負債とは

 例えば、適切な睡眠時間が7時間だとして、5時間しか眠れていない場合、10日間で20時間、30日間では60時間の「睡眠負債」を抱えることになります。日本人の睡眠時間はOECD(経済協力開発機構)によると加盟国の中で最も短く平均を下回っているそうです。また、厚生労働省の調査によると、40~50代の半数は6時間未満の睡眠時間となっているそうです。そして、「日本人の中でも40代女性の睡眠時間は世界一短い」という事です。現代社会ではこの年代の女性はやるべきことが多く、睡眠を削っているのが現状の様です。当店のお客様の中でも、体調不良のご相談の中で詳しく生活のご様子をお聞きしていると、ご主人の出勤に合わせて朝早くお弁当を作り、片付けをして仕事に行き、帰ってきたら、夕食の用意、片付けで、遅くに就寝するという方が多いです。睡眠時間の確保をお薦めしてもなかなか難しいと言われる方が多いです。まだまだ日本は家庭の事は女性の仕事という固定観念が強くて、残念な気がしています。

睡眠不足を放っておくと、「睡眠負債」となり、心身に様々な影響を及ぼします。睡眠負債とは「睡眠不足症候群」とも呼ばれ、慢性的な睡眠不足が続き、その不足が積み重なっていく事を指します。極端な睡眠不足に限らず、睡眠不足の自覚がない人でも、少しずつ睡眠負債が蓄積していることがあります。睡眠負債は短期間の蓄積では「眠気」「疲労感・倦怠感」「集中力の低下」が主に現れ、仕事の能率が下がったり、事故に繋がりやすくなります。また、長期間の蓄積では、気分が安定しないことによる「うつ病」食欲を促進するホルモンの分泌増加による「肥満」血糖値や血圧の調整がうまくいかないことによる「糖尿病」「高血圧」と言った生活習慣病のリスクが高まります。

そもそも睡眠はわた私たちの身体にとってどのような働きをするのでしょうか?

 睡眠の役割には大きく分けて2つあります。まずは

①心身の休養

 睡眠によって交感神経が静まることによって心身の緊張が和らぎ、日中に蓄積した疲労が回復し、損傷した細胞や組織の修復が促されます。

②心身の調整

 睡眠中は記憶の調整を行い、必要な記憶の長期保存を行うほか、気分の安定、食欲に係るホルモンの調整、血糖値や血圧、免疫などの様々な機能を調節します。

このように睡眠は様々な病気と深い関係にあると言えます。

気になるデータとしては、睡眠とアルツハイマー型認知症の関係が指摘されています。

 睡眠にはアルツハイマー型認知症の原因物質であるとされるアミロイドβなどの老廃物を排出する作用もあり、長期間睡眠負債が蓄積すると、このアミロイドβの排出能力が低下することになり、「認知症(アルツハイマー型認知症)」の発症につながるとされています。このように、睡眠不足は疲労が蓄積するだけでなく、多くの病気に繋がる危険性があることから、睡眠負債の解消は、健康的な生活を送るためにも大切であると言えます。

 うつに関してのデータでは、20歳以上の就業者男女1万人を対象に、直近1か月の1日平均睡眠時間とうつ、不安障害の有無を集計した調査で、うつ、不安障害の疑いがある人の割合は、5時間未満の睡眠時間で最も高く(約3人に1人)、睡眠時間が延びるにつれてその割合は下がり、7~8時間で最も低い17.8%と5時間未満と比較して約半分まで低くなります。この調査から、心の健康維持には7時間~8時間の睡眠時間が理想的であると言う結果が出ました

上記のように睡眠の果たす役割は私たちの健康にとって大きく、疲労回復だけでなく成長ホルモンの分泌を促す、これは成長期だけでなく、中年期以降は細胞の修復などにも関係し、アンチエイジングのホルモンと言えます。そして記憶の定着に大きく関係していて、その日に起きたことや覚えたことを整理するのが睡眠と言われています。睡眠時間が短いと、免疫力に影響して感染症にもかかりやすくなります。一番気になるところが、食欲のコントロールと精神面の安定ですね。睡眠不足に食欲増進ホルモンのグレリンが増加し、食欲を抑制するホルモンのレプチンが低下し、当然食欲は増加していきます。肥満と睡眠不足は密接な関係があったのです。睡眠と精神面の安定は言うまでもなく深く関係していて、睡眠を十分とることによって不安やストレスが減ると言われています。ネガティブな考えに陥りやすい時には、睡眠が足りていないのかもしれません。精神面のバランスが崩れると睡眠障害となり、質の良い睡眠が取れなくなり、悪循環になります。そんな時には睡眠負債が蓄積しているのかもしれません。質の良い睡眠とリラックスのための漢方薬があります。

生活のリズムを整えましょう

睡眠時間の短い人の中には、生活のリズムが崩れてしまっている人も多いです。まずは、生活を「朝方」に切り替えることが大切で、起床後には窓又はカーテンを開けて日光を浴びると、夜も早く眠気を感じやすくなり、軌道修正がしやすいです。2~3週間の継続で朝型の生活に切り替えることが出来ます。また、ベッドに入ってからのスマホは脳が覚醒しやすくなり、睡眠を妨げます。できれば眠る前2時間はスマホなどの強い光を見ることは避けた方がよさそうです。また、休日だからと、ダラダラと睡眠をとるのは、睡眠のリズムを狂わせる原因になります。休日と平日の睡眠時間の差は1時間以内に収めると良いでしょう

 このような改善の対策を努力しても、睡眠の質や量が改善しない場合には、睡眠負債の蓄積によって、睡眠をとるエネルギーが減っていたり、自律神経のバランスが崩れていて修正する力が出せない状態いなっていることがあります

そんな時には漢方薬の力で改善の助けが出来ます。疲労感があって、眠りたいのにグッスリ眠れない、夜中に何度も起きてしまうなどの症状に悩んでいる方には「酸棗仁」サネブトナツメという神経を休めてくれる生薬の配合された漢方薬があります。しばらく続けていくと、朝よく眠れた感がしっかりあって、気分がスッキリしたと喜んでいただいています。また、夜中まで神経がピリピリとして、イライラ感や焦燥感のある人には、三七人参や香附子などの生薬やカノコソウ、トケイソウ、ホップなどのハーブでリラックスしていただき眠りにつきやすくなります。また、睡眠負債の蓄積が大きく、気分の落ち込みや不安感の強い人には気をめぐらす漢方薬に神経を休めてくれる酸棗仁を飲んでいただくと効果的です。

 睡眠負債は睡眠不足の自覚がなくても、少しずつ症状が現れてきます。最近集中できない、疲れが取れない、という方は睡眠負債が蓄積している可能性があります。また、睡眠習慣を改善しずらい、眠れないという方はお気軽にご相談ください。将来、様々な病気の原因にならないよう改善していきましょう。

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