2023年06月03日

雲南重楼という生薬(アトピー性皮膚炎、喘息、子宮頸部異形成、がん)

202363164832.jpg最近当店で、お客様にお役に立っている「重楼」という生薬について。重楼という生薬は、雲南省の標高3000m以上の高台で栽培さユリ科の植物です。古来より中国では様々な疾患に使われている貴重な生薬です。有名な「雲南白薬」や「楼蓮カプセル」にも配合されていると言われています。(こちらは中国当局の機密事項ですのではっきりとは言えませんが)

 この重楼は、免疫調節、抗炎症、、抗菌、異常細胞抑制作用があるといわれており、伝統的には慢性気管支炎、慢性皮膚炎、乳腺炎、月経異常(おそらく子宮内膜症や腺筋症)精神不安などの疾患に用いられてきました。最近ではがんの研究で注目を中国で一躍注目を集め、価格が高騰して入手が難しくなっているという事です。

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症などの頑固な皮膚病について

 当店では長年ステロイド剤を使用されていたアトピー性皮膚炎のお客様や、病歴の長い上記のような難治性の皮膚病の方に服用していただき、良好な結果になっています。この重楼は、炎症を誘発するタンパク質分子(サイトカイン)の産生を抑制し、炎症を鎮めるとともに、抗菌効果により、真菌類の増殖を防ぎます。アトピー性皮膚炎においてはこの真菌類の増殖を抑制することがかなり有用で、当店のお客様でも、アトピー性皮膚炎の病歴が長い方には必ずと言っていいほど、皮膚に真菌類が増殖していると思われ、これが皮膚の炎症とともにすさまじい痒みを起こしています。ステロイド剤を使用すると一時的に炎症を抑えて症状が落ち着いたかに思えますが、真菌類の増殖を促す働きがあるので、暑さなどにより真菌が増殖してくると、我慢できないカユミを起こしてきます。この重楼にはステロイド剤ほどではないですが、かなりの抗炎症作用がありますので、炎症を抑えながら、真菌類も抑えて、皮膚の回復を助けているような気がします。当店ではこのような辛い皮膚病でお悩みの方にとってこの「重楼」は救世主の様に感じています。

​子宮頸部異形成

 当店では、子宮頸部異形成のご相談を多数いただいています。お客様の状況は様々ですが、中等度異形成が長く続いておられたり、円錐切除術を受けられた後の異形成の再発などでは、大変悩まれています。お客様それぞれのお身体の様子をお聞きして漢方薬をお選びしていますので、処方内容は様々ですが、生理痛や子宮の疾患をお持ちの方もありますが、生理痛や月経過多、生理不順、又子宮筋腫、子宮内膜症のような子宮に関する症状がない方もあります。私の考えですが、子宮粘膜も皮膚の一部と考えられます。体調不良や体質的なところから、子宮頸部の粘膜の抵抗力が低下していることにより異形成を起こしていると考えられます。もちろん原因はHPVですので、ヨクイニン配合の漢方薬を服用いただきます。そのうえで、子宮の症状のある方は下腹部の血流を改善して抵抗力を増強しながらこの「重楼」を合わせてお飲みいただき、抗菌、抗炎症作用によりヨクイニン製剤との相乗効果が望めます。子宮頸部異形成とはそもそも、子宮頸がんの前がん症状と言えます。ですからガン前病変からの発がん予防効果があるとされているこの「重楼」ですので効果が期待できるのだと思います。HPVというウイルスは、真菌と同じように、健康であれば、自分の免疫力で増殖を抑えることが出来るものです、このような日和見菌に効果のある「重楼」は子宮頸部異形成に有効と考えられます。当店でも、「重楼」を併用することで、ヨクイニン製剤のみよりも早く改善されている症例が、多くあります。

がんの転移抑制にについて

 がんのご相談で来店いただくと、その方の状況に合わせた漢方薬をお選びするとともにこの「重楼」という生薬を飲んでいただく事が多いです。体力、免疫力を改善することを主としてご相談をお受けしていますが、小さな転移の消失などではこの「重楼」という生薬がお役に立っていると思います。

その他

 この「重楼」という生薬は、最も多く使われてきた経緯として、月経異常、月経過多、不正出血などがあります。中国国内では、子宮内膜症や子宮筋腫で、出血が重い症状に使用され、良い臨床報告があります。月経過多症に対しては300例中286例の有効例で90%以上の効果が出ています、当店でもご相談の多いこのような疾患に少しずつ服用していただき効果が出ています。

 次に、胃の粘膜保護作用について、当店でも鎮痛剤の連用や逆流性食道炎などで胃の痛みや不快感を訴えられるお客様に、この「重楼」を空腹時にお飲みいただく事で、短い期間で症状が改善しておられます。京都薬科大学の研究によりマウスの胃粘膜を人為的に損傷させ、重楼サポニンを投与することで胃粘膜の損傷が優位に抑えられたという論文も発表されています。

 また、精神不安については、古来より使用されてきている生薬の様です。最近の研究で重楼に含まれるサポニンという成分が、痛みや神経細胞の炎症反応を抑制するほか、脳内のセロトニン、βエンドルフィンの増加を助け、精神不安を和らげる働きが科学的に認められているという事ですので、応用を広げていきたいと思っています。

 このように様々な疾患の改善に期待が出来るこの「重楼」を使ってお客様のお役に立てればと思っています。

 

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