2025年07月14日

子宮頸部異形成はなぜ起こる?その原因やメカニズムについて解説

子宮頸部異形成はなぜ起こる?その原因やメカニズムについて解説

子宮頸がんに関する啓もう活動は、日本でも近年活発に行われています。子宮頸がんは20〜30代の若い女性から増加していく疾患だからです。今回紹介する子宮頸部異形成は、子宮頸がんの前段階に相当する疾患です。子宮頸部異形成を放置していると子宮頸がんに移行する可能性があるものの、子宮頸部異形成そのものはまだがんとは呼べません。なぜ一部の女性が子宮頸部異形成になるのか、その原因についてここでは探っていきます。

子宮頸部異形成の原因について解説

そもそもなぜ子宮頸部異形成を患うのか、その原因についてまずは見ていきましょう。結論から言えば、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することで発症します。

HPVとは?

HPVとはDNAウイルスの一種で、人間のみ感染するのが特徴です。感染が拡大するのは接触感染で、ウイルスに感染している皮膚や粘膜と接触することで感染します。ただし皮膚や粘膜の奥深いところに入り込むので、細かな傷を介して感染するのが一般的です。HPV感染者と一緒にお風呂に入ったり、プールで泳いだりするだけでは感染しないので、そこまで心配する必要はありません。

HPVの感染経路は、一般的には性交渉などです。性交渉の刺激によって、粘膜には細かな傷が発生します。そこからウイルスが入り込んで、細胞にウイルスの遺伝子が入り込み、体内で増殖するというメカニズムです。

身の回りにあるウイルス

HPVは私たちの身近に存在するウイルスだと考えましょう。そのため、決して対岸の火事ではありません。性交経験のある女性であれば、ほとんど感染経験があり、男性も例外ではありません。一般女性の8割程度が過去に一度はHPVに感染したことがあるのでは、と推測されているほどです。

HPVには100種類以上のタイプがあって、HPVの中でも一部、子宮頸部異形成を発症する原因となる種類があります。このようなHPVのことを、高リスク型HPVと呼びます。高リスク型HPVの総数は、現在わかっているだけでも13種類です。

大半は排出可能

高リスク型HPVに子宮頸部が感染しても、すぐに子宮頸部異形成になるわけではありません。風邪を引いたときに、別にクリニックなどへ行って治療を受けなくても、しばらく安静にしていれば治ってしまうことがあるでしょう。それと同じで、自分の免疫力によって、HPV感染しても自然に排出してしまいます。

しかし1割程度の割合で、HPVを排出できずに感染した状態が続いてしまうこともあります。感染状態が5〜14年程度続くと子宮頸部異形成を発症すると言われており、そのまま悪化して子宮頸がんにいたる可能性もあるので注意しなければなりません。

子宮頸部異形成発症のリスク要因

子宮頸部異形成発症のリスク要因

子宮頸部異形成の原因として、HPVへの感染が関係していることはわかりました。ではHPV感染して、子宮頸部異形成を発症する危険性の高い人はどのようなタイプなのでしょうか?

性交渉が多いのはリスク要因に

HPV感染は性交渉を介して行われるケースが多いので、頻繁に性交渉を行っていればリスクは高まると思っておきましょう。HPVに感染した状態が持続したり、繰り返し感染したりすることで子宮頸部異形成を発症する危険性も高まるからです。

性交渉が多くても特定の異性としか関係していなければ、感染リスクは低いでしょう。しかし複数のパートナーと同時並行で性交渉していたり、相手が複数のパートナーと関係を持っていたりすると感染リスクは高まります。

その他の要因について

性交渉のほかに、HPV感染リスクの高い人として、喫煙者が挙げられます。さらにストレスが溜まっていたり、生活習慣が乱れたりすることで免疫力が低下していると、HPV感染が持続する恐れもあるので注意が必要です。また出産回数が多かったり、ピルを長期的に服用していたりすると、子宮頸部異形成や子宮頸がんの罹患リスクが高まると言われています。

子宮頸部異形成と性交渉

子宮頸部異形成と診断された場合、性交渉を控えたほうが良いのではないかと思う人もいるでしょう。しかし必ずしも、性交渉は厳禁というわけではありません。子宮頸部異形成と診断されると、数年にわたって経過観察の続く場合も珍しくありません。これだけ長期間にわたって性交渉を控えるとなると、パートナーとの関係もこじれる恐れが出てきます。中には子宮頸部異形成に罹患している状態で妊娠や出産した人もいるので、控える必要はないでしょう。

まとめ

子宮頸部異形成は、ヒトパピローマウイルスの感染によって発症すると考えられています。ただしHPVの中でも高リスク型と呼ばれるタイプのウイルスに感染しないと、発症することはまずありません。また感染しても私たちの免疫力によって、子宮頸部異形成を発症することなく、ウイルス排出も可能です。HPVは性交渉によって感染すると考えられているので、不特定多数の人と関係するのは控えたほうが良いでしょう。

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